2016/07/02
噛み合わせ治療用の入れ歯を入れて、調整をしている患者さんがいます。上は総入れ歯で下は部分入れ歯なのですが、旧義歯の状態がかなり悪く本人もどこで咬んでいいのかわからなくなっていました。いろいろな器材を使って噛み合わせ診査をし、咬合治療用の入れ歯を作りました。何度かの調整をし本人も満足されていたのですが、それから3か月ほどして、また状態が悪くなったという連絡を受けました。患者さんが言うには「ゴルフをやっていて、力いっぱい打ったら左上の頬の筋肉が落ちたようで顔のバランスがずれたみたいになって、それからどこで咬んでいいかわからなくなった。先生の言う良い位置で咬むと口の中で入れ歯がねじれるみたいだ。」と言っていました。口の中を見てみると、入れ歯自体に大きな変化はなく見えましたがよく調べてみると、わずかに左側の人工歯が高いため強く当たり、右側の方はほんの少し低かったのですね。そのあたりを調整したら、「口の中でねじれる感覚がなくなりました。」と言い、違和感がなくなったそうです。
人は噛み合わせが狂うと体幹の重心がズレ、体に不調和が起こることは知られていますが、こんなに急激な変化はあまり聞いたことがなく、診査と調整には時間がかかりましたが患者さんにとって良い結果が得られてよかったです。しかしながら、あくまで入れ歯の咬み合わせなので変化が起こりやすいものですから、ゴルフの際には入れ歯にマウスガードを組み込ませ使用してもらうことも考えています。(入れ歯の人にマウスガードを入れることはあまりしませんが。。。)今後も注意して経過を追っていきたいと思います。