2018/03/27
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
先日、飛び込みで来られた患者さんが、「入れ歯を作ってほしいんですができますでしょうか?」と尋ねてきました。
口腔内を診てみると、ほぼ総入れ歯に近い状態で、無口蓋義歯という口蓋部分をくり抜いた形の入れ歯が入っていました。
その入れ歯を外そうとすると、「先生、外すと入らなくなるから、取らないでほしい。」と言います。
入れ歯は凄く汚れていて、内面には入れ歯の安定剤が入っているようでした。
恐らく、残根の上に不潔で硬くなった安定剤が敷かれていて、それが残根のアンダーカットに入り込んでいて、維持されているようでした。
僕は、「では、取らないでも良いですから大きなレントゲンを撮らせて下さい。」と言い、パノラマX線写真を撮るとやはり、入れ歯の下に2本ばかりの残根が写ってきました。
僕は「今の状況で入れ歯を製作するのは無理なので抜歯をして、それから入れ歯を作ったらどうか。。。」と提案しました。
その患者さんは、「その入れ歯は今のように口蓋を覆わないようにできますか?」と聞いてきたので、「それは無理ですね。総入れ歯の場合、入れ歯の維持は粘膜で図るしかないので、それなりに大きな面積になりますし、あなたの顎堤の吸収状態からも無口蓋義歯を作ったとしても、全く維持のできないものになりますよ。」と言いました。
その患者さんは、「僕はすぐオエッと吐きっぽくなるのです。だから、何とかしてほしい。」と仰いました。
これは、非常に難しい問題です。
嘔吐反射が強くて、入れ歯を入れられない人というのは確かに存在します。
そうなると、インプラントを併用したオーバーデンチャーなどで対応しなければならないかもしれない旨も伝えました。
当院では、インプラントは行っておらず、必要性を感じる方には大学病院に紹介させていただいています。
当然、インプラントの場合は自由診療になるので、大学病院の設定する金額になる旨も伝えました。
その方は、「ちょっと考えさせて下さい。妻と相談してきます。」と仰り、帰られました。
一応入れ歯は、どのような欠損症例にも対応できるのですが、それを受け入れられるかは個人によって違います。
特に嘔吐反射の強い人はかなり困難です。
そう思うと、できるだけ入れ歯にならないように日常の歯磨きを大切にし、自分の歯を健康に保つことが大切ですね。