当院に7年間来院してくれている、ある患者さんとのやりとり(1)

院長ブログ

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当院に7年間来院してくれている、ある患者さんとのやりとり(1)

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新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。

 当院に通うようになって、7年目を迎える人がいます。

その人は60代の男性で、見かけはちょっと強面の方です。

初めて診たときは、言葉遣いも悪くてあまり近寄りがたく思っていました。

口腔内の状況は、上顎の歯は全て欠損していて総入れ歯が入っていました。

下顎の歯は中等度レベルの歯周炎で、ブリッジが装着されている部位はありますがかなり歯は残存しています。

主訴は上顎の入れ歯の新製希望でしたが、下顎の残存歯の歯周病も良い状態ではないため当院の歯科衛生士がブラッシング指導をしようとしたところ、全く聞き耳を持たず、気分を和まそうとするスタッフの冗談に対しても怒り出す始末でした。

そのようなこともあって、当院ではかなり対応に困りました。

何を言っても、不機嫌になるのならこちらも特段、何も言うことなくさっさと入れ歯を作っていこうと思いました。

でも、総入れ歯の製作は型を取って、次にできあがりというわけではないです。

当院で製作の場合、5回はかかります。

調整なども含めますと、多分全部で7回ぐらいは必要かなと予想しました。

まあ、何も話さずに必要最低限の言葉だけでいいかと軽く考えて、入れ歯の製作はなんとか終えることができました。

でも、月に一回ほど入れ歯や歯の調子が悪くて、来院していました。

歯茎を洗浄したり、抗生剤を出したり、入れ歯を調整したりと。。。

でも、態度と口の悪さはあまり変わっていないし、衛生士がブラッシング指導をしようとしても怒り出す始末だから、意を決して僕がやりましたよ。

こちらも強い口調になってしまいましたが、真剣な態度を解ってくれたのか、心なしか少しずつ打ち解けてきた感じがありました。

ある日、いつも口の悪いその人らしくなく、なんとなく元気のない感じの日がありました。

「○○さん、今日はどうしたの?いつも口が悪いのに、やけに静かだね。」と言ったところ、「最近、体調が悪くてな、頻繁におしっこが出るんだよ。このせいでよく眠れないんだ。」と言ってきました。

「それは良くないね。内科に行って、診てもらったら。」と内科に罹ることを薦めました。

その後、その人は内科に罹り、診断されたのは前立腺がんだったそうです。

その時には入れ歯はしっかりしていて、口腔内の調子は良いようでしたが、それよりも体の方が心配です。

また、「町医者では対応が難しいので大きい病院に一月ほど入院しなければならなくなった。」と言いました。

僕は「そうなんだ、でもしっかり治した方が良いよ。体調が良くなったら、入れ歯の方をまた見せて。待ってるよ。」と言いました。

そして、ここまで深い話ができるようになって、僕の中でも他人には思えなくなっていたようで、僕の親父が飲んでいたある健康食品がありました。

僕は、それを大量購入してこの患者さんの仕事場に出向き、それを渡しました。

その人は「なんだい、これは?」と言ってきたので、「うちの親父が病気になったときに飲んでた健康食品。体調が良くなるんだってさ。一応、お医者さんに確認してみて~。」と言って渡してきました。

※この続きは次回のブログで、紹介しますね。

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