2018/12/10
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
保険の入れ歯は、どうしても材質的な制約があって金属を使うのにも限界があります。
いわゆる金属床入れ歯やノンクラスプ入れ歯などは保険が使えないのですね。
保険で認められている金属の使用できる部分は、歯に掛ける金属のバネ部分と、口蓋と舌側部分に使用できる部分はほんのわずかです。
使える金属もチタンやゴールドなどのアレルギーが少ない金属は一切、認められていません。
金属床入れ歯は床部分が金属でできます。
そして熱伝導性も良いため、食事の際の味の伝わり方が良いとされています。
この金属が使われる部位としては、上顎は口蓋部で、下顎は舌の接触面ですので口を開けて見えるということはほぼ無いです。
そのような部分に金属を使えないことによって生じるデメリットというものは正直あります。
例えば上顎が総入れ歯で下顎がほぼ自分の歯が残存している方というのは、割と多くいます。
その場合、上顎の歯槽骨はどうしても歯を失うことにより歯槽骨は吸収してきます。
しかも上顎の場合は、頬側の骨から吸収が始まります。そうなると、下顎はほぼ残存していて骨の吸収がないのに、上顎はかなりアーチの小さい歯茎に歯が並ぶため下顎の残存歯に合わせて歯を咬合させると入れ歯の正中部に応力がかかるため、真ん中で割れるケースを何度も見ております。
保険の総入れ歯だと補強線というもので何とかしようと試みますが、所詮はワイヤー程度の金属が入れ歯の中に組み込まれるだけなので、あんまり意味がないです。
以前このような方には、この状況を根気よく説明させていただき、生体親和性の高いチタンを使い金属床の入れ歯を製作させていただきました。
チタンは他の金属に比べても硬く、軽いためすごく喜ばれました。
その後、入れ歯が割れることもなく3年たった今も快適に使用していただいております。
また、逆に保険の入れ歯だとクラスプという金属のバネが欠損の関係上、前歯にかけなければならないケースがあります。前歯だといかにも入れ歯というのが解ることが往々にしてあります。
その場合、ノンクラスプデンチャーという金属を使わないで審美的に見せることができるものもあります。
一見、保険の入れ歯の色に似ていて、単純にクラスプを外しただけのように見えますが、実際は違います。ピンク色の床と言われる部位は保険のものと比べて柔らかく弾力があります。
また、歯間部にその歯肉色したものが入り込み、クラスプに代わって維持を図るわけです。審美的にもかなり満足いただけるのではないかと思いますよ。