2019/04/19
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
上顎のみ、ほとんどの歯が欠損していて、下顎のみほとんどの歯が残存しているケースを結構な頻度で見かけます。
恐らく重度の歯周炎に加えて強い咬合力のため、咬合するたびに上顎の歯が下顎の歯に突き上げられてしまい歯周病が悪化したため、歯が抜けてしまったのか、抜かなければならなくなったのではないかと予想します。
そのような形態であるとするならば、上顎のみに義歯を製作することになるかと思いますが、非常に問題が起きやすいです。
というのは、上顎の場合、骨吸収は唇頬側の歯茎からおこります。
そうなると、下顎の残存歯列に対して狭くて小さい歯列弓になるのですね。
そのような、状態で入れ歯の人工歯を正常咬合排列すると歯茎の頂点部分からかなり離れる位置に歯が排列されるため、入れ歯の中央部に応力がかかり、真ん中で割れることが頻繁に起きやすいです。
保険診療で行える入れ歯の場合、口蓋部分を覆うのはプラスチックのため、これを防止するために補強線といわれるワイヤー様のものを埋め込みますが、効果はそれほど期待できません。
このような場合は、金属床義歯で解決するべきなのではないかと思います。
でも、コバルトクロムのような重い金属は貧弱な顎堤には不向きなため、チタンを使用した方が軽くて丈夫で良いものができると思いますよ。
このチタンが壊れることは常識的な応力では考えられませんし、軽いため貧弱な顎堤にも応用が可能だと思います。
自由診療となりますが、入れ歯が真ん中部分で頻繁に割れてくるようならば、ご一考していただきたいと思います。