2019/07/01
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
総入れ歯の型取りは2回以上必要です(部分入れ歯も当院では2回以上の型取りをしています。)。
この作業は保険診療でも自由診療でも変わりがありません。
1回目は概形印象として、これで模型を起こし、その模型を研究用模型として、患者さんの口腔内の情報を得ます。
ここは、粘膜がブヨブヨだから、緩衝腔(リリーフ)を設けた方がいいなとか骨隆起があるから、痛みが出ないようにブロックアウトした方がいいなとか、仮想の咬合平面は恐らくこのぐらいになるだろうなとか、人工歯の排列位置はこのくらいになるなとかのおおよその見当がつきます。
この研究用模型が、良いものでなければ、その後の精密印象を採得するための個人トレー(患者さんの口腔内に合ったトレー)の製作も良いものにはならないため、良い作業模型は作れませんね。
そのため、当院ではこの概形印象の採得はかなり慎重にやっていると思います。
この概形印象は既成のトレーを使って型を取るので、それなりのテクニックが必要です。
口の中の様相は患者さん一人一人、違いますからね。
必要なところまで取れていないと良い印象にはなりませんから。
従って、場合によってはその既成トレーを削ったり、曲げたり、辺縁にワックスを盛り足すこともありますからね。。。
患者さんの中には、頬の筋の圧力や舌圧が強くて、なかなか良い印象が取れない人がいます。
でも、ここは非常に大切なところなので、上手くいかないときは患者さんに謝って、もう一度取らせてもらう事があるかもしれません。
入れ歯は何度かステップを踏んで作られていくものです、前のステップのテクニカルエラーを消すのは簡単なことではないのですね。。。
そう考えると、この概形印象が総入れ歯の成否を決める第一歩になるので、大切にしている作業ですよ。
この概形印象が上手く取れれば、その後の個人トレー製作や、いわゆる2回目の型取りの精密印象採得が、かなりスムーズに行きますからね。
従って、「勝負は一回目の概形印象にあり」と言えるのです。