2020/11/07
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
現在は65歳以上の高齢になると、いずれ二人に一人が認知症を発症すると言われています。
その認知症の中で特に多いのがアルツハイマー型認知症です。
米国では、アルツハイマー型認知症を発症した後に、死亡された方の脳標本から歯周病菌として知られているポルフィロモナス・ジンジバリス菌(P.G菌)が9割以上の患者さんから認められたそうです。
このP.G菌は歯周組織の血管から入り込み全身を行き渡るということが知られています。
心臓に行けば心内膜症、心筋梗塞、腎臓に行けば腎症、どこかの血管に固着すれば血管梗塞などを起こすことが言われています。
このP.G菌が脳の海馬という知性や学習を司る領域で見つかったのは、本当に最近のことです。
P.G菌はジンジパインという酵素を出して、脳内に存在するアルギニンというアミノ酸を破壊するようです。
このアルギニンというものは一酸化炭素(NO)を介して成長ホルモンの分泌促進や免疫力の向上、脂肪代謝等を促す作用があります。
これが破壊されることによって、アルツハイマー型認知症が進むと考えられているわけですね。。。
ある内科医からのお話で、このアルツハイマー型認知症を止めるのは患者さんが毎日行う日常の歯磨きと、歯科医院での歯科衛生士が行う歯のクリーニングと歯石除去に掛かっているとのことです。
歯科衛生士が行っている業務の歯科衛生実地指導や歯石除去やクリーニングは、まさしくこのP.G菌と戦っているのですね。
しかしながら、このP.G菌に感染してしまっている歯周病の方は、これを完全に除去することはできません。
いくらやってもゼロにはできないのです。
なぜなら、歯肉そのものにもこのP.G菌は入り込んでしまっているからです。
つまりは、歯を抜いても完全に除去することができないのですね。
本気で完全に除去するには、歯肉そのものも大きく除去しなければならないと言えるのです。
もちろんそんなことはできないので、そのリスクを減らすために定期的に歯科医院で歯垢を除去し危険なレベルにならないようにコントロールしていくしかないのですね。。。
でも、定期的にお口の健診とクリーニングを行うことで、アルツハイマー型認知症に対抗できる可能性があると言えます。
一緒に頑張りましょう。