2015/11/19
当院には、離島の佐渡から来院されている患者さんがいます。佐渡市にも歯医者さんは多くあるのですが、わざわざ2時間半も船に乗って来ていただいていることを嬉しく思います。
来院理由はバネが見えない入れ歯を作ってほしいという事でした。それならばノンクラスプデンチャーという金属のバネが見えないものがありますが、いかがでしょうかと提案させていただきました。この入れ歯は、医療保険が効かず自由診療ですが、納得していただき製作に踏み切ることになりました。実際に、製作した入れ歯をセットして違和感なく使用できることに僕としても嬉しかったのですが、入れ歯のバネが見えないことで凄く審美的で、笑顔が輝いて見えたことを覚えています。
当初は入れ歯の製作のみの要望でしたが、不運にも前歯の被せ物が外れてしまいました。外れたものは適合が良かったため再セットが可能でしたが、保険の被せ物だったため色が変色していました。「できれば極力色が変わらない被せ物にしてほしい」と言うため、これも自由診療でセラミック冠を提案しました。現在、土台から製作中ですが、頑張って良いものを提供できるように努力しています。
自由診療はどうしても高額になるため、医療者側として勧めにくい傾向があります。(僕自身は自由診療を勧めることにより、がめついと思われるのでないかと思っていました)でも、患者さんはそういったことよりも、きれいで耐久性があるものが良いと思われる方は少なくありません。自由診療ならば良いものがあると説明するのは、本当の親切なのかもしれないと思います。選ぶのは患者さんです。患者さんの財政状況を医療者側が心配するのは失礼な話なのかもしれませんね。過去の自分の考えを今では反省しています。
(ノンクラスプデンチャーの写真です。金属のバネを使わないので審美的です。佐渡から来られている患者さんに同様のものをセットしました)
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