2015/03/13
総入れ歯を製作する際に、もともとの歯があった時の咬合関係を付与するわけではありません。総入れ歯の場合は、両側性平衡咬合という奥歯で咬んだときは臼歯部のみでしっかり咬め、前方・左右の歯ぎしりをした時に全歯が接触して動く咬み合わせの関係を作ることが必要です。そうすることで柔らかい粘膜の上に乗っている総入れ歯でも外れずに機能してくれるわけです。(もちろん部分入れ歯と比較すると限界はありますが。。。)
もともとの天然歯の歯列でこういう咬合関係を持っている人は少なく、このような咬合関係に持っていくことはほとんどありません。この総入れ歯や総入れ歯に近い部分入れ歯のための両側性平衡咬合を付与するのは本当に難しく、製作過程の中で咬み合わせ取りといわれる患者さんの上下的・水平的な咬合関係の採得から慎重にやらなければなりませんし、人工歯の排列やその際に使用する咬合器も大事な要素なんですね。だから、僕ら歯科医師はこのステップを慎重に行っています。
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