2015/05/30
総入れ歯をセットする際に、完成した入れ歯を上顎に入れると吸着が得られず落ちてきたり、下顎に入れた入れ歯が浮いてくることがあります。ちょっとドキッとしますが、よくあることで咬合調整をしっかりやると吸着してくることが多いです。その時の思いは「あ、やっぱり良い型取りだったんだ」と自我自賛してます。
一番怖いのは、仮合わせの時の咬み合わせと、セット時の咬み合わせが全然違うことがまれにあります。要は思いっきり咬み合わせがずれていることです。原因は仮合わせの際古い入れ歯の癖が残っていて、その咬み方で咬んだので完成した入れ歯を入れて咬合させると、実際の咬む位置とは違うからなのでしょうね。
これは本当に怖いです。一歯分、いや半歯分でもズレがあったら、正直、修理や調整で直すことは難しいですし、そういう直し方で直しても新しい入れ歯としては綺麗ではありませんものね。その場合は素直に患者さんに謝罪し、もう一度下顎のみを最初から直させてもらっています。でも、そのためのコストも時間もかかりますので、極力ないように努力しています。
(写真は、仮合わせ時に咬み合わせのズレがないか調べているところです。上下顎臼歯部の咬合面間に器具を入れて動くようならズレがあると判断します。これを転覆試験といいます)
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