2016/07/03
先日、遠く離れた十日町市から来られた患者さんがいました。初診の段階で、当院のトリートメントコーディネーターが血相を変えて「ちょっと歯科医療に不信感を抱いていて、なかなか難しそうな人だ。」と僕に言いに来ました。こういうことを聞くと僕の方としても何となく身構えてしまいましたが、まずは患者さんの背景をよく知ることから始めます。いろいろ聞いてみるとこの方は、地元の歯医者さんに通っていたそうですが、そこの歯医者さんにかなり傷つくことを言われてしまったために行きたくないようでした。僕は第三者としてそのことをとやかく言うことはなく、「現状からこれ以上悪くならないための処置をしましょう。」と言いました。まだこの段階では僕に不信感を持っているようでしたが、口の中を見てみると部分入れ歯が入っており、部分入れ歯のバネを懸けている歯で破折しているのが1本、重度の歯周病で保存が無理な歯が1本あり、この2本の歯は抜歯した方がいいと伝えました。その後は、今ある入れ歯に人工の歯を足して仮入れ歯とし、抜歯の穴が落ち着いたら新しい入れ歯を作りましょうと言いました。でも、歯石取りと歯磨きは頑張ってもらわないと、かなり厳しいですよ。と伝えました。その患者さんはニッコリして「他は抜かなくても取りあえずは大丈夫なのですね。良かった~。前の歯医者さんで全部抜かなきゃだめのようなことを言われ、私はできるだけ残してほしいと言ったら、じゃ、他のところでみてもらえ。と言われたんです。しかも横柄な態度で。。。ここに来たら全然感じが違っていて、先生は腰が低いし、スタッフの皆も優しくしてくれて嬉しくて涙が出ます。」と心のつかえが取れたようでしたよ。僕としては、特に変わったことをしているわけではなく、いつも通りに接して説明をしているだけなのですが喜んでいただいて嬉しかったです。というより、当院のスタッフは本当に人間的に優しく素晴らしくそして美しい(?!)人達なので、彼女たちの力によるところは非常に大きいです。でも、これからこの方の本格的な治療が始まるので気を引き締めて頑張りたいです。満足いただけるよう精一杯努力します。