2017/05/25
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
入れ歯でお悩みの方を数多く診てきましたが、最近多いのが、多くの残根と言われる重度虫歯を抱えて、その状態で入れ歯を作ってほしいという依頼を受けます。その人の病歴を聞くと抜歯が怖い、過去にかかっていた所の医院の先生と相性が合わない等の意見を聞きます。皆さん、いろいろ不満や不具合を抱えていることはあるのでしょうが、一度、虫歯になった歯は治りません(よっぽど軽度であれば、治る可能性がありますが。。。)。ですから、医療者側の目から見ると、放置していたようにしか見えないのですね。。。最後の砦として、入れ歯を考えるのでしょうが、残根の上に入れ歯が乗るようなものは正直、良い入れ歯になり得にくいです。今は痛くなくても、いつ痛くなってもおかしくない状況で入れ歯を製作するのは、どうかと思いますよ。でも、患者さんの同意を得られなければ、抜歯ができませんから、医療者側もジレンマを抱えています。今一度、入れ歯を作る前に歯医者さんの説明によく耳を傾けていただき、残根を保存して作るリスクを考えてみていただきたいです。
(写真の掲載は患者さんの同意を得ています。右上犬歯部に1本の残根が見られます。この残根が多数の歯に渡って見られる人が、たまにいます。この残根の上に入れ歯が乗っかると咬合圧が加わるので痛みが出やすいです。この残根の上に入れ歯を乗せるタイプの入れ歯を望むなら、リスクを承諾していただく必要があります。)