あの頃の向上心を持って、頑張ります。

院長ブログ

新潟市の歯医者・歯科・入れ歯・スポーツマウスガードなら「りんご歯科医院」

あの頃の向上心を持って、頑張ります。

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新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。

 当院は入れ歯診療に力を入れて取り組んでいます。

僕自身が、歯科大学在学中に総入れ歯の人工歯排列に興味を持ち、いずれは入れ歯を専門的に勉強したいなと考えていました。

そのため歯科大学を卒業し、国家試験を合格した後は、日本歯科大学新潟歯学部の補綴学(入れ歯や被せ物)を専攻して大学院に入りました。

大学院に入った目的としては、歯学博士号を取得することでありますが、これを手に入れるためには4年間で研究テーマを決め、実験計画を立てて、結果を出して論文にして学会学術誌に投稿しなければなりません。

そうは言っても、4年間をフルに実験だけに費やすと言うことはなく、最初の1~2年は学部の学生と似たようなことで講義があり、英語論文を和訳したり、実験データの処理の仕方として統計学を学んだり、ご遺体を前にして顎顔面の解剖学の実習をしたりしていました。

それ以外は、僕が従事していた教授の後を付いて見学したり、教授から出される技工物を作ったり、医局で新人に組まれるカリキュラムがあり総入れ歯の人工歯排列から完成までやったり、クラウンやメタルコアの製作、ワイヤークラスプの製作をして、先輩先生からチェックを受けていましたよ。

最初は下手くそで、教授や先輩からもよく叱られていました。

昔から、この補綴学というのは技術が伴って初めて意味をなす学問で、不器用な人にはちょっと向かないと言われています。

そのことは学生時代から知っていましたが、自分はそこそこできるという勘違いから、これはヤバイ所に来てしまったと後から思いましたよ。。。

実際、医局の先輩先生達は博学で手先も器用でした。

仮歯を作るのも患者さんがデンタルチェアに座っている横で短時間に世間話をしながら、作るんですよ。

それこそ簡単そうに。

実際、自分が初めて患者さんの横で仮歯を作ったときは、あまりにも酷いので患者さんに見せられなかった記憶がありますもの。。。

でも、人間って覚悟を持って一生懸命にやっていると、自然とできるようになるものです。

そのうち、患者さんの横で仮歯を作ることはそんなに苦じゃ無くなってきますし、短時間で作る割には仕上がりも良いものになってきました(あくまで1~2歯ぐらいの仮歯ですけど。。。)

そんなことができるようになって、そして、必修科目を全部クリアして、初めて自分の担当患者さんを持つことができました。

その患者さんは、当時40代の方ですが上下顎とも無歯顎で、総入れ歯の製作希望でした。

まだ年齢も若い方なので、顎堤はしっかりしており、教授は初めての総入れ歯製作には最適かと思ったのでしょうね。。。

でも、その人は当時の僕のような若造に診られるのは、あまり良いようには捉えていなかったようです。

でも、回数はかかり時間もかかりましたが、初心者の僕に対して優しい心を持って何度も型を取らせてくれたり、咬み合わせを取らせてもくれましたよ(昔はこのように育ててあげようという、気持ちを持った患者さんは少なくなかったですから。。。)。

今もまだまだ、教授や先輩先生達の技術には、追いついてはいませんが、あの頃の向上心を持って頑張っていきます。