総入れ歯の、咬み合わせを決める作業は大変です。

院長ブログ

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総入れ歯の、咬み合わせを決める作業は大変です。

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新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。

 当院が総入れ歯を製作するのに、一番重要視しているのは咬み合わせです。

製作段階で、これがしっかり採得できれば、90%以上うまくいくと思えます。

型取りももちろん大切なステップですが、総入れ歯の場合はどの段階でも完成前に型を取ることはできるので、ある意味、気楽に考えているところがあります。

咬み合わせ取りは、まずは垂直的な顎間関係を取るのですが、つまりは咬み合わせの高さを決めるわけです。

総入れ歯の場合、咬合床というモノをラボサイドで製作しておき、それを口腔内に入れて決めていきます。

方法としてはいろいろありますが、何せ総入れ歯の場合は基準となる歯牙が無いですので様々な方法を組み合わせてやることが多いです。

一般的には、生理学的・解剖学的な方法で決めることが多いです。

そしてこれを決めた後は、咬合器に装着していきます。

この咬合器に装着する上で、患者さんの顔面の情報を咬合器上に反映するためにフェイスボウ・トランスファーということをしておいて、それで上顎模型を装着してその模型上に咬合採得した咬合床を当て込んで、下顎模型を装着いたします。

自信のあるブレの無い咬み合わせが取れているのならば、これで人工歯を並べる作業に入ることも少なくないですが、この段階ではもしかして前方で咬んでいる可能性もこの段階では否定できません。

つまり水平的な位置関係を決める作業が必要なことがあります。

そのために、当院ではゴシックアーチトレーサーというモノを製作して、中心位という位置を決めています。

この中心位というのは再現性があります。

そして、中心位やそこから左右に動かせる位置を仮想中心咬合位(歯があった時の奥歯で咬んだ時の位置関係)として、咬み合わせの修正を咬合器上で行います。

でも、この咬み合わせが歯があったときの咬み合わせだという保証は何も無いわけです。

そのため、この位置で人工歯を並べて、歯肉形成をした後、患者さんの口腔内で仮合わせ(試適)をしてその位置でしっかり咬んでいるのかを確認します。

ここでズレが無ければ、大きな問題は起こりにくいです。

仮合わせの時にもし、ズレていることに気づいた場合は人工歯を外してその位置にワックスを置き直し、もう一度咬み合わせ取りをすることも可能であります。

でも、これをやり直すことによって、患者さんが医院に来る回数は増えてしまうわけですが、これだけは本当に難しい作業なのでご容赦を願っています。

このズレを気づかずに、完成してしまうとそのズレを修正するのは本当に難しいです。

恐らく半歯ズレただけでも、本入れ歯であるならば最初から再制作になるかと思います(僕は、もしあったらそうするようにしています。即時入れ歯の場合はあくまで仮入れ歯としていますので別ですが。。。)。

咬み合わせを決める作業というのは、総入れ歯の製作段階では本当に重要なことが少しでもお解りになれたなら僕らとしても非常にありがたい限りです。

このデジタル化が進む現代で、この作業は本当にアナログチックだな~といつも思いますが、ここは本当に難しいけどやっていて楽しい所でもあるので、今後も頑張って行きたいと思います。

(写真は咬合高径を決めた後、口腔内から取り出した咬合床です。この時点では水平的な咬み合わせの関係は不明です。)

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