当院に7年間来院してくれている、ある患者さんとのやりとり(2)。

院長ブログ

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当院に7年間来院してくれている、ある患者さんとのやりとり(2)。

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新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。

(前回のブログの続きです。)

 それから、その人は一ヶ月ほどして退院して、当院に入れ歯の調整に来ました。

その際は、昔のような言葉にトゲトゲしさはなく、スタッフにも笑顔で話をするようになっていました。

相変わらず、歯磨きの話はあまり聞いてはくれませんが、自分なりには磨いていてくれています。

そして、この件があってから、その人はある意味、自分の言いにくいことを話してくれるようになりましたし、心を完全に開いてくれているようでした。

この7年間にその人の歯周病は特段悪化することはなかったですが、虫歯により根の治療をしましたが、抜歯はしていません。

ただ、入れ歯は本人の希望もあって、毎年作り替えています。

特段、悪くはないのですが、「俺の歯茎はブヨブヨで、ほかの歯医者がこれはお手上げだと言っていた。だから、おまえみたいな下手なやつが作った場合は、1年に1回は作り替えが必要なんだよ。」と茶目っ気たっぷりで言っています。

しかも、「最近、患者さんが増えてきたじゃんか、俺が鍛えてやっているからな。感謝しろよ~。」みたいなことも平気で言います。

でも、その心のやりとりは確実にお互いが笑えるくらい良いものになりましたよ。

スタッフも、最初はこの人のことを誤解していましたが、今は、みんなのアイドルとなっていますよ。

どこか旅行に行けば、お互いにお土産も買ってくる仲ですよ。

体調も今は良いようで、定期的な検診は行っているようですが、あれから5年以上経っているので、おそらく再発はないようです。

考えてみると、この方は奥さんも子供もいません。

きっと、家族のように心配したのは僕たちだけだったのではないでしょうか(その辺りはよく解りませんが。。。)?

でも、決してこうなるとはあの時の僕は思ってはおらず、健康食品を渡したのも、なんとなく僕の親父と似ていてかぶるところがあったからなのでしょうかね?

本当にタイミングですよね、物事の進展は。。。

でも、心が打ち解けられたら本当に良い関係が歯科医療を通じてできるのですね。

これからも、毎週一回はこの人を診て、1年に1回は入れ歯の製作を行えたら、僕としては嬉しい限りです。

この人は、もうすぐ70歳を迎えますが、その際は当院でプレゼントを用意して盛大にお祝いをしてあげたいと思います。

苦手意識を持つ患者さんを克服することの第一歩は、こちらから心を開くことなんですね。

この患者さんの診療を通じて、それは解りました。

でも、全ての患者さんにできることではないですが、これからも頑張っていきたいと思います。