2018/10/12
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
先日のことですが、下顎に第一小臼歯が一本のみ残存している方が入れ歯の調整とその一本の歯の3ヶ月ごとの定期健診とクリーニングに来られました。
その歯の状態は、今のところ安定していて抜く必要はないようです。
今から一年以上前に、その人は多数の歯を重度歯周炎のため、抜歯をして上顎は総入れ歯になりました。
そして、下顎も当初は同じように総入れ歯になる予定でした。
僕は、その時、「右下のこの小臼歯だけは残る可能性がありますが、他の歯の状態から考えると時間の問題かもしれません。僕の方としては、残していきたいとは思いますが。。。もし、残していくのなら、そのためにはあなたの協力も必要です。日常の食後の歯磨きは、絶対必要ですし、1月に1回は、歯周ポケット内の洗浄は必要かと思います。そうすれば、おそらくは長く持つと思いますが。」と言いました。
その人は、「先生、できるだけこれ以上の抜歯はしたくないです。保存できるように努力します。」と言ってくれました。
正直、おそらくこの人はきちんと歯磨きしないだろうなと、思っていました。それほど、他の歯は歯周病の程度が悪かったですからね。
この時に、抜かなかったことを後悔するような気がしたもんですから。。。
その後は、しばらくの間、その人の月に1回の定期健診とクリーニングをしました。
その方も、真面目に来てくれて歯磨きも頑張ってくれました。
そして、月に1回の定期健診とクリーニングを3回ぐらいしたところ、日常の歯磨きもしっかりやってくれていたのでしょうね。
歯の動揺が落ち着き、歯周ポケットの深さも安定し始めました。
これならば3ヶ月に1回の定期健診とクリーニングで十分対応できるなと判断し、今に至ります。
毎回、その人の歯の状態がどうなっているかドキドキしながら診ますが、先日も状態は安定していましたよ。
ブラッシング方法もこちらの注意点をよく守ってくれているようです。
この人の一本だけ残っている歯は、今思えばこの人の口腔内の衛生状態をアップさせるためのモチベーション維持にすごく役立っているのは事実ですね。
あの時は本当に、もしかしたら抜いた方がこの人にとって幸せなのではないだろうかと、悩みましたが、今は本当に残しといて良かったと思っていますよ。
多くの重度歯周病になった方は、その抜歯後の処置として入れ歯になっている人も多いでしょうね。
だけど、抜かないですむ歯がもしあったならば、是非、それを残すように頑張って歯磨きをして、歯科医院の定期健診と、クリーニングを継続的にしてもらうことをお勧めしますよ。
自分だけの歯ブラシによる歯磨きだけでは、深い歯周ポケットの中はお掃除できません。
そのため、歯垢が歯周ポケットに入り込み、そこで歯石を作ってしまいます。
歯石ができると、歯垢の足場となってしまうため、より強固に歯垢がついてしまいますよ。
そうなると、セルフで行う歯磨きだけではどうにもなりません。
歯科医院でプロフェッショナルクリーニングをしてもらい、歯周ポケットの中もしっかりお掃除してもらうことが大切なことです。
それを行えば、その残存歯が抜かないで良かったといえるものになり得る可能性は十分にありますからね。
もし、このようなことで気になる方は、当院にご相談ください。