尊敬する人の教え(2)。。。

院長ブログ

新潟市の歯医者・歯科・入れ歯・スポーツマウスガードなら「りんご歯科医院」

尊敬する人の教え(2)。。。

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新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。 

※前回のブログの続きです

僕は、「あ、先生、こんにちわ。お久しぶりです。実は研究のことで悩んでまして。。。」と、それほど、仲良くは接していない大先輩の解剖学講座の助教授に、なぜか相談をしてしまいました。

よっぽど切羽詰まっていたのでしょうね。。。

自分でも、なんでこの時にその先生に相談したのかは、よくわかりません。

その先生は、「なに、どうした。?」と聞き返してくれたので、講座に手伝ってくれる人はない、設備はない、助教授は全く関与しない姿勢のこと等、それまでのことを伝えました。

その先生は、「そうか。。。もし、何だったら俺の講座の教授に俺から頼んでやるよ。」と言ってくれました。

それまで、他講座の先生に相談してもそのような返答は一度ももらえなかったので、信じられない気持ちでいました。

その先生は、すぐに「一緒に、俺の教授のところに行って、話をしてみようよ。」とほとんど話したことのない当時の解剖学教授のところに付き添ってくれました。

そして、その内容を伝えられた解剖学教授は少し考えていましたが、「一生懸命やりたいんだよね?それなら協力してあげるよ。」と言ってくれました。

それからというもの、僕は嬉しくなり一生懸命に研究に取り組みました。

僕の講座の先生方は、教授以外はこの件に関しては、一切関わろうとしなかったですが、この解剖学講座の教授や、相談に乗ってくれた助教授、医局員の先生方から、組織切片の作り方や、染色法、観察方法を学びました。

もちろん、ラットの手術や組織の取り出しは自分だけでやっていましたが、設備を全て貸してくれたので、それだけでも嬉しく思いました。

この時は、毎朝3匹以上のラットの手術を行い、僕の従事している講座の教授の診療を見させていただき、夕方から日付が変わるまで、組織切片を作ったり染色、観察を行っていました。

学位論文の製作に早く取り掛かりたかったので、結果がすぐにでもほしかったですから猛スピードでやっていましたよ。

それこそ、帰るのはいつも、午前3時くらいで、朝には、動物舎にこもって手術。。。。

こういう生活が、2年近く続きましたかね。。。お盆や正月も関係なく。。。

光学顕微鏡の組織図もあまりよく読み取ることが出来ないので、恥ずかしながら学部の学生と一緒に組織学実習にも行ってましたしね。

お陰様で、正常組織は読み取ることが出来るようになり、研究の方もどんどんスピードアップしてきました。

でも、身体的には辛かったですし、自分の講座の助教授からは相変わらず、何の関心も持たれず、講座の中では「こいつは補綴学を辞めて、解剖学に移ったんだわ。」という嫌味や、「早くこの講座を辞めてくれ。」という趣旨の言葉の暴力を受け続けていましたね。

本当に悔しく、いい年をしていながら、涙が出るようなこともたくさんありました。

ある日、あまりにも悔しくて、その旨を先述の解剖学のお世話になっている助教授の先生に相談しました。

その先生は、身体も気も強い先生なので、きっと「そんな奴は喧嘩してでもいいから、ふざけんなと文句を言ってやれ。」と言うかなと思ったら、予想外なことを言いました。

それは、「澤口、今は耐えろ。。。辛いかもしれないけど、耐えるんだ。お前がもし、ここのまま取り乱して喧嘩をしたり、文句を言ったところで不利な状況になるだけだよ。かといって、このまま大学院を辞めていったら、それこそ、お前の負けだよ。。。今は耐えて、研究を無事に終えて論文にし、博士号を取得するんだ。。。それが、お前の出来る最大の抵抗だと思うよ。博士号を取ったらきっと、皆、解ってくれるし、その助教授も見方を変えてくれると思うよ。」と言ってくれました。

この言葉には、心が動かされました。。。

そして、すぐに「絶対、博士号を取得するんだ。」という、強くて熱い気持ちがこみ上げてきました。。。

※次回のブログに続きます。