2019/05/10
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
入れ歯は、なかなか思うように使えないという人は少なくはないですね。
中には、以前の健康なときの状態に比べて、咬めないとか、発音しにくいとか、違和感があるという声を聞くことがあります。
大変言いにくいことではありますが、元の健康な歯があってなんでも食べれるような状態の歯にすることは困難です。
もし、それが可能ならば、小さい虫歯でも歯を抜いて入れ歯にした方がいいということになりますものね。
そんな、夢のようなことは現在の歯科医療では不可能と言われてます。
僕達が、新しい入れ歯を作る意味も、比較対照は健康の歯ではないですからね。
それと比較されたら、絶対に良いものにはなり得ませんから。。。
ただ、親知らず以外の歯で欠損の状態をそのままにしていて良いことはありませんもの。。。
1本でも歯の欠損があると、噛み合わせのバランスを崩し、欠損したその部位に向かって周囲の歯は傾いたり、あるいは相方の歯は延びてきます(これを挺出といいます。)。
また、そのせいで咬合に不調和をきたし、顎関節に支障が起こり顎関節症になる人もいますから。
以前も、歯の欠損を何本か抱えた上で、顎関節症を発症した人を診ました。
その人は、口を開けることがほぼできなくて、右側の顎関節部に以前からカクカクという音があったそうです。
あるときから、その音はなくなっていたのですが、口は人差し指が入るかどうかの開口量となり、首から肩にかけての筋痛もあるようでした。
その状態で、できるだけの開口をさせると右の顎関節は完全にロックしているため、顎の中心は右に変位するようでした。
顎関節部に指を当てて診査すると、クリック音は触知しないので関節円板は完全に外れてしまい、右の顎関節円盤は非復位型のものとなっているようです。
その方には、まず、生活指導の注意点と開口練習、そして、鎮痛剤を服用してもらいます。
1週間後の様子を見て、バイトプレーン(マウスピース)の製作に踏み切るかどうか判断することになりました。
そして、顎関節症の症状が落ち着いたら、その欠損部の補綴処置もした方がいい旨を説明しました。
本人もその欠損部のことを知っていながら、放置していたことを悔やんでいました。
顎関節症は、咬合の因子だけではないとよく言われますが、咬合の不調和が全くないということも少ないです。
このように、欠損部を放っておいて顎関節症になるケースはたくさん見てきましたからね。
できるだけ、そのようなことがないように、もし、歯の欠損があって、顎に変な音がするというような、心当たりがある人は早めにかかりつけの歯科医院で診てもらった方がいいと思いますよ。