2021/02/28
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
先日、上下顎で総入れ歯の人の新製入れ歯をセットしました。
上顎は金属床の総入れ歯で、下顎は保険内のレジン床の総入れ歯です。
この患者さんは、下顎の入れ歯が乗る歯茎が極端に痩せているため、患者さん本人も下顎の方は、保険でいいということでした。
この判断は、やっている僕でもなかなか迷う部分もあるのですが、患者さんの希望に沿うようにいたしました。
そしていよいよ、昨日、上下顎総入れ歯のセットという際に、いつも通りに咬合調整をして、粘膜面のあたりを調べ、問題がないことを確認して上下顎の入れ歯の吸着を確認したところ、上下顎ともに良い状態で入れ歯が吸着していることが解ったので、ひとまず終了となったのですが、帰り際に入れ歯が落ちると仰っていたため、再度、診療室に入ってもらいました。
そして、確認すると「奥歯で噛むとピタッとしているんだけど、前歯で噛むと外れる。」と仰いました。
僕は、少しほっとしながら「基本的に総入れ歯は前歯で噛むことはできない設計になっているんです。前歯で噛むと上顎の入れ歯が突き上げられ、後縁部から空気が入り、陰圧が壊れ吸着が出来なくなるんです。吸盤に空気が入ってくっつきが悪くなるのと同じような理屈なんですね。。。だからできるだけ奥歯で噛むというのを意識してくださいね」と言いました。
その方は、すぐに納得してくれて、「そうなんですね。あ、本当だ。しっかりしている。」と満足気でした。
総入れ歯の吸着は、どんなに良い印象を取って良い模型を使って製作されたとしても、咬合の問題が改善されないと簡単に吸着は壊れます。
また、前噛みをする癖のある方は、注意が必要です。
患者さんには、その辺りもきちんと説明しないといけないなと改めて思いましたよ。。。
僕たち的には当たり前だと思っていても、患者さんにとってはそのようなことは全く分かりませんものね。
当たり前ですが。。。。つい、忘れてしまうことがありますね。。。
今後は、その旨を注意して、しっかり説明していきたいと思います。
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