2021/10/17
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
今日は日曜日で、当院はお休みです。
今回はいつもの診療とは関係ない話になりますがご容赦ください。
僕は歯科医師になって、28年目です。
開業して10年経ちましたが、その前は大学病院勤務、病院歯科勤務、開業医勤務をしていました。
その頃はあまり開業に関心を持たずにこのまま勤務医で良いかなと思っていたところもありました。
もともと入れ歯診療が好きで、大学に10年ほど研究し学位も取りましたから、入れ歯だけで生きていける勤務医を理想としていましたかね。。。。
現実はそんなところは全くなく、ましてや虫歯治療や根管治療をやることが日常の業務でした。
当たり前と言えば当たり前ですね。
歯科医師で虫歯治療ができない人はほぼいませんからね。。。
やっていくと、一般診療もそれなりに楽しくて凄く勉強していきました。
しかしながら、勤務医としてはそこの歯科医院のやり方にどうしてもとらわれますので、本当にそれでいいのかというと考えさせられることもありました。
そして、歯科医師としての遣り甲斐や自分の理想とする歯科医院を構築するのならば、やはり開業して行うのが筋であろうとも思い始めていました。
でも、手持ちの資金はほとんどなく、元々、開業医になる気もなかったので貯金もほとんどしていませんでした。
親も一応、埼玉で開業医をしていましたが、僕の開業にはあまり賛成ではなく、歳も取っていたのでお金を借りることはできませんでした。
本当に一銭も借りていませんよ、親には。。。
そのため開業資金は銀行から借りようとしましたが、なかなか後ろ盾のない実績のない歯科医師に貸してくれる銀行はなく、大変でした。
それでも何とか貸してくれる銀行を見つけ、交渉し、開業にこぎつけました。
最初は、ボロボロの廃院しかかった歯科医院の居抜きを買い、開業することにしました。
そこは古びたビルのテナントで2階にありました。
本当は、もっときれいなビルで開業したかったのですが、何と言っても手持ちの資金がありませんでしたからね。
取りあえずここで良いかというような気持ちで、進めていたような気がいたします。
でも、世の中は開業したからと言って患者さんが簡単に集まるほど甘くはなく、1~2年ほどはいつも暇でした。
本当につぶれるかなと、びくびくしながら毎日を過ごしていましたよ。
一般診療がどうだとか、入れ歯診療がやりたいとかそんな我儘を言えるほどの余裕は全くなかったですね。
とにかく来てくれる患者さんがいれば満足してもらえるように頑張るだけの日々でした。
それからというもの、この歯科医院を知ってもらうためにあらゆる努力をして、宣伝しました。
それこそ、新規の患者さんを増やさなければ、この医院が持たないと思っていましたからね。
そうこうしながら9年が過ぎ、あるきっかけにより昔、夢見ていた自分の理想の医院を思い出したとき、ここではないなと思い始め、移転を決意してこのタチバナビルの1階に陣を取り移転開業をしました。
それこそ、移転のために莫大な借金をしましたが、銀行からの貸し渋りは全くなく、開業時の金額の3倍以上の金額を簡単に借りることができました。
まあ、それなりに実績を上げて行ったから貸してもらえたのだとは思いますが。。。
今のこの医院は僕が夢見ていた歯科医院に大分近く、大好きな入れ歯と残存歯を守るための予防をある程度満足できるレベルでできるようになってきたとは思います。
でも、それでもまだまだ本当の意味では満足はできていません。
もっと高いレベルに行かないと、ダメだと思います。
というより、これで満足してしまったら発展・成長はないなと思いますからね。
だからもっともっと頑張る所存でいますよ。
ただ、膨れ上がった借金が僕の肩に重くのしかかっているのは確かです。
以前よりそのプレッシャーは強くありますね。
それにこのコロナ禍。。。
感染予防にかける費用は半端ではないですよ。
いつ、どうなるかは本当に解らないものですよね。
僕がやってきた今までの経緯と、この移転開業に全く後悔はなく楽しい毎日ですが、この借金の問題は早く返済を滞りなく終えたいとは思っています。
しかしながら最近感じるのは、この借金を返し終わるのはまだまだ先で、これからあと13年にはいわゆる老後を迎える歳の者がこんなに借金があっていいのだろうかという何ともやるせない気持ちですね。
これが40代だったらそうでもないかもしれませんがね。。。
でも、経営者と言われる人のほとんどの方は、このようなプレッシャーを常に感じているものらしいですね。
歯科医師といえど開業医は経営者ですからね。。。
仕方がないことかなと思っています。
このプレッシャーと夢を追いたい気持ちの間でこれからの僕は何を選択するか、かかる経費の一つ一つをよく考えて行動していこうと思います。
資金のショートや倒産だけは絶対に避けたいですからね。
これからもこの不安と対峙して、頑張っていきます。