2023/10/03
新潟駅から徒歩5分 「入れ歯専門外来」を持つりんご歯科医院から発信。
よく上顎の入れ歯が真っ二つに割れてしまって困るという人がいます。
その様な人の特徴で、上顎は総入れ歯か、それに近いような大きな入れ歯であって下顎は結構、残存歯が残っているようなケースが多いものです。
そして咬合力の強い人が多いと思います。
その様な人の顔の特徴として、下顎角が外側に大きく張り出している感じが多いのではないでしょうか。
つまりエラが張っている顔貌と言いますか。。。
上顎の場合歯が欠損すると唇頬側から骨が吸収してきます。
そうすると、入れ歯になった時の人工歯を置く位置が本来、顎堤の歯槽頂という所に置くべきなのですが、そこから大きく外れてしまうような所に人工歯を置くと入れ歯の中央部分に応力がかかり、真ん中で割れてしまうことが往々にしてあります。
保険診療で総入れ歯を作る場合は、レジンというピンク色のプラスチックが口蓋部分を覆います。
その部位はプラスチックのため、強度はそれほどありません。
一応、強度を上げるためレジン床内に補強線というワイヤー様のものを入れてはありますが、さほど大きな影響力はないと思います。
従って、やはり根本的な解決には至らないことが多いのですね。
そのため、壊れては修理を繰り返して、そして作り替えをする。
そしてまた、割れて修理という堂々巡りが続くことが多いです。
この悪循環を断ち切るにはどうしたらいいか。。。
僕の答えとしては、口蓋部分を金属床にすることです。
この金属床入れ歯は保険診療ではできず、高額ではあります。
でも、そのメリットは非常に大きいと思います。
しかもその金属は軽くて丈夫なチタン床が良いのではないでしょうか。
チタン床であれば、多少貧弱な顎堤でも軽いがゆえに落ちにくいですし、金属アレルギーの心配もないです。
そして人工歯の排列位置も場合によっては内側に入れる交叉咬合排列というものを検討することもあります。
いずれにしてもこの金属床(チタン床)にすれば入れ歯が真っ二つに割れることはないかと思いますよ。
是非、せっかく作った長持ちさせるためにも、この金属床入れ歯を検討していただけたらと思います。