2015/03/06
入れ歯をつい誤って落としてしまって破損させたり、長年使用していることで人工歯部分が擦れて咬み合わせが下がってしまった等使用するのに不調和が起きた場合は、入れ歯の修理が必要になると思います。入れ歯のバネ部分が金属を鋳造したものでできているものが破損していて、それを即日で直すのは難しいですが、それに代わるワイヤーのバネをつけることは、可能かと思います。
人工歯が脱離してしまったり、単純に入れ歯が割れている場合の修理はそれほど難しくないと思いますので、お悩みの方は歯科医院に行って相談された方がいいかと思いますよ。でも、修理の材料は色は似ていてもどうしても異種材料ですので、再度そこから壊れていく可能性は高いです。ですから、新製するのもやむを得ないかもしれませんが。。。
(写真は昨日胎内市から来られた患者さんで、使用中の入れ歯が無口蓋義歯で全く吸着が得られませんので、臼歯部の咬合面をレジンで盛り足して適切な高さを得て調整を行い、無口蓋部分にパラフィンワックスで壁部分を作り内面にレジンを流し、口腔内に圧接して床部分を延長しました。床内面には一層だけ粘膜調整剤を敷いて、吸着を得ることができました。時間は少しかかりましたが、1回の処置でここまで終えることができましたよ。でも、審美的には問題がありますので、今後は入れ歯を新製していく予定です)
2015/03/05
最近は親知らず以外の抜歯はあまりなくなりました。でも、全くないわけではないです。歯周病があまりにも重度であったり、虫歯がひどく大きく根尖に大きな病巣を抱えている場合や、歯根破折といって歯の根が割れていたり、ヒビが入っている場合は抜歯の適応となるケースがあります。
いつも抜歯する前に、もう少し前に診せてもらえたらこうならなかったのではないかと反省の意味も含めて思います。
抜歯操作はもちろん局所麻酔下でやりますが、重度の歯周炎でかなりグラついているものは簡単に抜けます。でも、酷い虫歯で歯の頭がほとんどなく、へーベルという器具がうまくかからないようなものは結構大変です。
なぜなら、そのへーベルというものを歯と骨の境目にかけてテコの原理で抜くのが基本ですが、虫歯が酷くちょっとの応力をかけただけでもぺきぺき割れてしまい、テコの原理がうまく使えない場合があります。そうなると歯と歯肉の境目を狙って削り、その力をかけても割れない部分から作らなければなりませんらね。また、2本脚の根だったり、3本脚の根の場合は分割しなければならないかもしれません。そのため、この抜歯操作にはかなり気を使って行う処置となりますよ。
(写真は本日来られた患者さんの右側の上顎第一小臼歯と左側の下顎第三大臼歯です。重度の歯周炎のため抜歯となりました)
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2015/03/04
私は、入れ歯の人の気持ちを理解したいなと思い、上顎右側の第一大臼歯を10年ほど前に一本抜歯しました。私は入れ歯治療に自信があったため、自分で一本欠損のための入れ歯を作りました。いざ入れた後ご飯を食べてみると、米や野菜、肉などの食材は全く問題なく食べることができました。でも、ゴマやせんべいのカスなどが入れ歯の床下に入りそのまま食べていると、粘膜が痛くなってきたのを覚えています。これではやっぱりよくないなと思い、ブリッジを試してみました。前後の歯は生活歯であったため、形成し印象してブリッジをセットしましたが知覚過敏が発生ししみがひどくなりました。また、歯磨きがかなりしにくくなりブリッジの土台に虫歯ができてしまいました。何とかわずかな治療でその時は済みましたが。。。今現在はそのブリッジが入っています。知覚過敏にもまだ少し苦しめられています。
このような経験を基にお話しますが、自分の歯に勝るものはやはりないと思います。自分の歯を長く健康な状態で維持するために歯科医院での定期検診には、是非行っていただきたいと思います。
(写真は部分入れ歯を装着している人の定期検診中のものです。この方もやはり自分の歯をこれ以上なくしたくないと言っていましたよ)
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2015/03/03
先日、透明なスポーツマウスガードを装着いたしました。患者さんは高校の部活動でラグビーをやっているとのことです。透明なマウスガードは、装着しているのがほとんどわからず目立たないのが利点です。プロでもないのに装着するのは恥ずかしいと思う人もいるようですしね。(外傷予防のために装着するのですから、別に目立ってもいいと私は思いますが。。。)
また、ラグビーは中高生の大会ではマウスガードの装着が義務化されていますが、その際に赤い色は付けないようにと決められています。出血しているのかどうか審判が解らないからというのが理由だそうです。当院では、そのような理由の場合は、やはりベーシックな透明マウスガードをお勧めいたします。当院では、5,000円(税抜)から製作いたします。
(先日来たラグビー部の高校生のマウスガードを装着した写真です。上顎にマウスガードを装着しています。装着しているかどうかほとんど解りませんよね)
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2015/03/02
近年では、ボクシングなどの格闘技に関わらず、ラグビーやアメリカンフットボール、サッカー、野球などにもスポーツマウスガードを装着している選手が増えていますね。
スポーツマウスガードは、口腔内の外傷予防が主目的ですが、筋力の向上やスポーツパフォーマンスの向上にも関与するのではないかと期待されています。材質が柔らかく、歯ぎしり用のマウスピースよりも弾力があります。スポーツをしている最中も、それほど気にならないのではないかと思います。
スポーツ愛好家の方は、是非ご一考いただきたいと思います。
(写真は、当院で製作中のスポーツマウスガードです。フランスカラーのシートを使用して製作しました)
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2015/02/28
基本的に入れ歯を機能的に使用できて、外れにくくするという点においては保険の入れ歯でも満足いくようにできるのではないかと思います。しかしながら、さらに審美的にして、ご飯の味をもっと楽しみたいと思うなら、やはり自由診療で保険では認められない材料・生体親和性のいい金属を使用するべきだと思います。これを使用することによって義歯床と言われる部分を薄くでき、かつ丈夫にできます。また、金属を使用することによって食材の温度をそのまま伝えることができ、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく粘膜に伝えることができますよ。この生体親和性の高い金属を使用する義歯を金属床義歯といいます。
また、最近では審美性を考慮したノンクラスプ義歯というものもあります。これは、欠損の状態により、保険の入れ歯ではどうしても前歯にバネをかけなければならない場合、そのバネが見えないようにするためにバネに代わる義歯床の延長したものを歯間部に当てはめて維持するものです。素材も保険診療で使用されているものよりも柔らかく痛みが出にくいと思いますよ。
(写真はノンクラスプ義歯を模型に装着して、横から撮りました。バネの代わりに入れ歯の床部分を伸ばして、歯間部に這わせてあります。歯肉の色と同化するので目立たなくなります)
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2015/02/27
歯科健診などをして、虫歯の健診を行うことがあります。その時に虫歯の判定をすると、たまにC2ですか、C3ですかと尋ねられることがあります。一般の方にもインターネットなどの普及により、僕らが言う言葉の紹介が出ており、C2やC3がどういう状況であるかが大体解りますものね。
虫歯は穴の幅ではなく、深さによりその判定が変わるわけですが、明確に健診の状況で判定するのは困難なケースがあります。また、歯間部の虫歯はなかなか見えにくく、見落とす可能性があるのも事実です。となると、厳密に歯科健診をして、虫歯の判定をするのならば学校などに私たちが出向いてやるのではなく、歯科医院に来てもらいレントゲンなども使って判定するのが本来のあるべき歯科健診なのではないかと、一個人の意見ですがそう思います。
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2015/02/26
部分入れ歯のバネといわれるものは、正式にはクラスプと言います。このクラスプは材料的にも形態的にもさまざまな種類があります。
材料的には一般的に鋳造してできたものか、ワイヤーを曲げてできたものかで違います。鋳造して作るものは、技工士さんがワックスで形態を作り鋳型を取って、製作するものです。利点としては精度が高く、丈夫でフィット感がいいですね。でも、欠点としてはわずかな歪みがあっても入らないことがありますし、精度が高いため歯周病の歯にかけると義歯にかかる側方力によってバネのかかる歯が揺さぶられ、歯周病が悪化してしまう恐れがあります。
逆にワイヤークラスプは技工士や歯科医師がワイヤーを曲げて適合を図り、製作していきます。適合面では製作する人によって違いますが、鋳造クラスプに比べると良くないです。でも、歯周病に罹っている歯にこのクラスプをかける場合は、強い側方力がかからないため、これを選択する場合もあります。
いわば、残存歯の状態がどうなのかによって選択するのが基準ですね。
形態的な種類については後で、お話ししますね。
(写真は鋳造クラスプです。形態的には基底結節レストIバークラスプといいます)
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2015/02/25
入れ歯治療の中で僕が一番難しい症例は「すれ違い咬合」の欠損症例だと思っています。すれ違い咬合というのは上下顎の歯があるにもかかわらず、それに対応する自分の歯がないため、咬み合わせがない状態のことです。この状態を「すれ違い咬合」といいます。
対応としては通常通り入れ歯の製作を行っていきますが、でき上がった後、調整に苦労することが多いです。どうしても入れ歯は部分入れ歯といえど粘膜に負担を求めなければならない点があります。もちろん残存歯にバネをしっかりかけ、歯牙にも負担を求めますが、粘膜に乗っている部分は粘膜の沈み込みに対してバランスを崩してしまい、その沈み込みに適応できないことがあります。場合によってはバネをかけている歯がその沈み込みと咬合力に負けて揺さぶりを受けてしまい、プラプラの状態になり歯周病が悪化するケースもあります。そうなると、残存歯の抜歯をしなければならないことも考えられます。
このような方には、やはり咬合調整で粘膜面上にある人工歯の咬合圧負担を極力和らげていくのがいいのかなと思っています。でも簡単ではなく、長期に診ていくと残存歯や入れ歯の予後は良くないと思います。
(上の写真は、前後的すれ違い咬合の患者さんの咬合させた時です。残存歯はありますが、1点も咬合支持する歯がないため、咬合させると下顎前歯が上顎の粘膜に咬み込んでいるのが解ると思います。下の写真は、その方の研究用模型です)
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2015/02/24
虫歯が大きくなって歯の神経といわれる歯髄が細菌に侵されてしまったり、歯髄が死んでしまった場合、根管治療が必要になります。根管は歯種によって根管数が違っており、大臼歯といわれるものは3根管から4根管あります。
歯髄がまだ生きている状態ならば、当然麻酔が必要になります。そして歯髄の部分まで切削し、クレンザーという針のようなもので歯髄を絡め捕り、ファイルというもので歯髄が入っていた部屋の壁の部分をお掃除するわけです。そして、薬剤を何度か貼付し、無菌が図られたならば根充剤という歯髄の代わりになるものを充填します。この操作は、かなり重要な操作でその歯の予後に深くかかわっています。だから、僕ら歯科医師はこの治療に相当な時間と労力をかけています。
(写真は犬歯の根管にファイルを入れて、歯髄の入っていた部屋の壁部分をお掃除している状態です)
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