入れ歯 新潟市

院長ブログ

新潟市の歯医者・歯科・入れ歯・スポーツマウスガードなら「りんご歯科医院」

用途によるマウスピースの違い

最近、マウスピースをいろいろな場面で聞くことが多くなりました。それぞれ用途により製作方法や使用する製品、でき上がったマウスピースの大きさや厚みが違います。顎関節症の治療や歯ぎしり防止用は硬い素材が多く用いられていますし、スポーツ用やホームホワイトニングに使用するものは柔らかい素材で作るのが一般的です。

先日来られた患者さんが、スポーツ用と夜間の歯ぎしり防止用のマウスピースの製作を希望されました。下の写真はその方のマウスピース製作の作業模型ですが、どちらがスポーツマウスガード用でどちらが歯ぎしり予防用のものか解りますか?



答えは向かって左が歯ぎしり防止用で右がスポーツ用です。同じ患者さんのものなので歯型は一緒ですが、歯ぎしり防止用は歯と若干の歯肉部分しか型が取れておりませんよね。でもスポーツ用は歯肉から頬粘膜にかかる深い所まで型が取れています。歯ぎしり防止用は主に歯牙にかかる歯ぎしりによる力を分散させるためなので、歯列だけ型が取れていればいいわけです。それ以上延ばして歯肉に充てる必要はないですから。

でも、スポーツ用はスポーツ時の外力による口腔内の保護が目的であるため、歯牙のみならず歯肉などの損傷も防止する目的があるので、歯肉頬移行部といわれる深い所まで型を取り、そこまで伸ばすのが鉄則です。

これから、硬いシートを使用して歯ぎしり防止用のマウスピース、そして弾力のある柔らかいシートを使ってスポーツ用のマウスピースを作ります。上記に示した部位まで各々の必要な長さに調整していく予定です。
このように、用途や目的によって作り方、素材、厚みなどが違うものになることをご理解いただけたらなと思います。


総入れ歯の審美性について



総入れ歯の審美性の適否は、一般的な考えから上下顎の前歯の人工歯の色と大きさ、歯の並びによって決まると思います。
仮合わせの際に並びを患者さんによく見ていただき、患者さんの思いをよく聞いて決めていくのが当院のスタイルです。でも、明らかに歯を並べる基準を逸脱する要求には答えられないことがあります。このあたりには、ちょっともどかしさがあるのは事実ですね。

咬み合わせの高さが適正であれば、あとは笑った時の歯の見え方が大事ですよね。一つの基準としては、笑った時に歯頸部がちょっと見えるかどうかにするのがコツですね。このあたりを注意していくと、おのずと歯の大きさは決まります。
(旧義歯を入れた状態で笑ってもらった写真です。歯の見え方は問題ないですが、上下顎前歯の正中が鼻尖の直下にないので患者さんはそれを気にされていて、今後入れ歯を新製していきます)


入れ歯の修理について

 



入れ歯をつい誤って落としてしまって破損させたり、長年使用していることで人工歯部分が擦れて咬み合わせが下がってしまった等使用するのに不調和が起きた場合は、入れ歯の修理が必要になると思います。入れ歯のバネ部分が金属を鋳造したものでできているものが破損していて、それを即日で直すのは難しいですが、それに代わるワイヤーのバネをつけることは、可能かと思います。
人工歯が脱離してしまったり、単純に入れ歯が割れている場合の修理はそれほど難しくないと思いますので、お悩みの方は歯科医院に行って相談された方がいいかと思いますよ。でも、修理の材料は色は似ていてもどうしても異種材料ですので、再度そこから壊れていく可能性は高いです。ですから、新製するのもやむを得ないかもしれませんが。。。

(写真は昨日胎内市から来られた患者さんで、使用中の入れ歯が無口蓋義歯で全く吸着が得られませんので、臼歯部の咬合面をレジンで盛り足して適切な高さを得て調整を行い、無口蓋部分にパラフィンワックスで壁部分を作り内面にレジンを流し、口腔内に圧接して床部分を延長しました。床内面には一層だけ粘膜調整剤を敷いて、吸着を得ることができました。時間は少しかかりましたが、1回の処置でここまで終えることができましたよ。でも、審美的には問題がありますので、今後は入れ歯を新製していく予定です)

抜歯について



最近は親知らず以外の抜歯はあまりなくなりました。でも、全くないわけではないです。歯周病があまりにも重度であったり、虫歯がひどく大きく根尖に大きな病巣を抱えている場合や、歯根破折といって歯の根が割れていたり、ヒビが入っている場合は抜歯の適応となるケースがあります。

いつも抜歯する前に、もう少し前に診せてもらえたらこうならなかったのではないかと反省の意味も含めて思います。
抜歯操作はもちろん局所麻酔下でやりますが、重度の歯周炎でかなりグラついているものは簡単に抜けます。でも、酷い虫歯で歯の頭がほとんどなく、へーベルという器具がうまくかからないようなものは結構大変です。

なぜなら、そのへーベルというものを歯と骨の境目にかけてテコの原理で抜くのが基本ですが、虫歯が酷くちょっとの応力をかけただけでもぺきぺき割れてしまい、テコの原理がうまく使えない場合があります。そうなると歯と歯肉の境目を狙って削り、その力をかけても割れない部分から作らなければなりませんらね。また、2本脚の根だったり、3本脚の根の場合は分割しなければならないかもしれません。そのため、この抜歯操作にはかなり気を使って行う処置となりますよ。
(写真は本日来られた患者さんの右側の上顎第一小臼歯と左側の下顎第三大臼歯です。重度の歯周炎のため抜歯となりました)


自分の歯の大事なこと



私は、入れ歯の人の気持ちを理解したいなと思い、上顎右側の第一大臼歯を10年ほど前に一本抜歯しました。私は入れ歯治療に自信があったため、自分で一本欠損のための入れ歯を作りました。いざ入れた後ご飯を食べてみると、米や野菜、肉などの食材は全く問題なく食べることができました。でも、ゴマやせんべいのカスなどが入れ歯の床下に入りそのまま食べていると、粘膜が痛くなってきたのを覚えています。これではやっぱりよくないなと思い、ブリッジを試してみました。前後の歯は生活歯であったため、形成し印象してブリッジをセットしましたが知覚過敏が発生ししみがひどくなりました。また、歯磨きがかなりしにくくなりブリッジの土台に虫歯ができてしまいました。何とかわずかな治療でその時は済みましたが。。。今現在はそのブリッジが入っています。知覚過敏にもまだ少し苦しめられています。

このような経験を基にお話しますが、自分の歯に勝るものはやはりないと思います。自分の歯を長く健康な状態で維持するために歯科医院での定期検診には、是非行っていただきたいと思います。
(写真は部分入れ歯を装着している人の定期検診中のものです。この方もやはり自分の歯をこれ以上なくしたくないと言っていましたよ)


透明なスポーツマウスガードの装着



先日、透明なスポーツマウスガードを装着いたしました。患者さんは高校の部活動でラグビーをやっているとのことです。透明なマウスガードは、装着しているのがほとんどわからず目立たないのが利点です。プロでもないのに装着するのは恥ずかしいと思う人もいるようですしね。(外傷予防のために装着するのですから、別に目立ってもいいと私は思いますが。。。)

また、ラグビーは中高生の大会ではマウスガードの装着が義務化されていますが、その際に赤い色は付けないようにと決められています。出血しているのかどうか審判が解らないからというのが理由だそうです。当院では、そのような理由の場合は、やはりベーシックな透明マウスガードをお勧めいたします。当院では、5,000円(税抜)から製作いたします。
(先日来たラグビー部の高校生のマウスガードを装着した写真です。上顎にマウスガードを装着しています。装着しているかどうかほとんど解りませんよね)


スポーツマウスガードの製作について



近年では、ボクシングなどの格闘技に関わらず、ラグビーやアメリカンフットボール、サッカー、野球などにもスポーツマウスガードを装着している選手が増えていますね。
スポーツマウスガードは、口腔内の外傷予防が主目的ですが、筋力の向上やスポーツパフォーマンスの向上にも関与するのではないかと期待されています。材質が柔らかく、歯ぎしり用のマウスピースよりも弾力があります。スポーツをしている最中も、それほど気にならないのではないかと思います。

スポーツ愛好家の方は、是非ご一考いただきたいと思います。
(写真は、当院で製作中のスポーツマウスガードです。フランスカラーのシートを使用して製作しました)


自費の入れ歯のメリットについて



基本的に入れ歯を機能的に使用できて、外れにくくするという点においては保険の入れ歯でも満足いくようにできるのではないかと思います。しかしながら、さらに審美的にして、ご飯の味をもっと楽しみたいと思うなら、やはり自由診療で保険では認められない材料・生体親和性のいい金属を使用するべきだと思います。これを使用することによって義歯床と言われる部分を薄くでき、かつ丈夫にできます。また、金属を使用することによって食材の温度をそのまま伝えることができ、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく粘膜に伝えることができますよ。この生体親和性の高い金属を使用する義歯を金属床義歯といいます。

また、最近では審美性を考慮したノンクラスプ義歯というものもあります。これは、欠損の状態により、保険の入れ歯ではどうしても前歯にバネをかけなければならない場合、そのバネが見えないようにするためにバネに代わる義歯床の延長したものを歯間部に当てはめて維持するものです。素材も保険診療で使用されているものよりも柔らかく痛みが出にくいと思いますよ。
(写真はノンクラスプ義歯を模型に装着して、横から撮りました。バネの代わりに入れ歯の床部分を伸ばして、歯間部に這わせてあります。歯肉の色と同化するので目立たなくなります)


虫歯の判定について



歯科健診などをして、虫歯の健診を行うことがあります。その時に虫歯の判定をすると、たまにC2ですか、C3ですかと尋ねられることがあります。一般の方にもインターネットなどの普及により、僕らが言う言葉の紹介が出ており、C2やC3がどういう状況であるかが大体解りますものね。

虫歯は穴の幅ではなく、深さによりその判定が変わるわけですが、明確に健診の状況で判定するのは困難なケースがあります。また、歯間部の虫歯はなかなか見えにくく、見落とす可能性があるのも事実です。となると、厳密に歯科健診をして、虫歯の判定をするのならば学校などに私たちが出向いてやるのではなく、歯科医院に来てもらいレントゲンなども使って判定するのが本来のあるべき歯科健診なのではないかと、一個人の意見ですがそう思います。


部分入れ歯のバネについて



部分入れ歯のバネといわれるものは、正式にはクラスプと言います。このクラスプは材料的にも形態的にもさまざまな種類があります。
材料的には一般的に鋳造してできたものか、ワイヤーを曲げてできたものかで違います。鋳造して作るものは、技工士さんがワックスで形態を作り鋳型を取って、製作するものです。利点としては精度が高く、丈夫でフィット感がいいですね。でも、欠点としてはわずかな歪みがあっても入らないことがありますし、精度が高いため歯周病の歯にかけると義歯にかかる側方力によってバネのかかる歯が揺さぶられ、歯周病が悪化してしまう恐れがあります。

逆にワイヤークラスプは技工士や歯科医師がワイヤーを曲げて適合を図り、製作していきます。適合面では製作する人によって違いますが、鋳造クラスプに比べると良くないです。でも、歯周病に罹っている歯にこのクラスプをかける場合は、強い側方力がかからないため、これを選択する場合もあります。
いわば、残存歯の状態がどうなのかによって選択するのが基準ですね。
形態的な種類については後で、お話ししますね。
(写真は鋳造クラスプです。形態的には基底結節レストIバークラスプといいます)