痛みを抑えた精密むし歯治療
痛みを抑えたむし歯治療
「歯の治療は痛い」と思っている方はまだまだたくさんいらっしゃいます。
実は、これは昔の話です。
今は技術の進歩、新しい設備の導入により、以前よりも快適に治療に臨んでいただけます。
35Gの注射針の導入
蚊に刺されても痛くないように、針が細ければ細いほど痛みは抑えられます。超極細の針の注射をすることで痛みを抑えます。33G(数値が大きくなるほど針は細い)の超極細の注射針が今まで無痛治療を心がけていた歯科医師がよく使用していましたが、最新器具で35Gの注射針が登場し、当院はいち早く導入しました。
刺通抵抗値は33Gよりも15%以上低下し、さらに「痛みを抑えた治療」ができます。
表面麻酔(ペンレステープ)
注射針を刺す前に歯ぐきの表面を麻酔して注射針の痛みを和らげます。
当院では、皮膚科などでも使われている局所麻酔用の特殊なテープ「ペンレス」を使用しています。塗り薬よりも効果的に、じわじわ歯肉の表面に麻酔を効かせるため、さらに「痛みの少ない治療」が可能です。
電動注射器
麻酔の痛みには、麻酔液の注入する方法によっても変わります。電動注射器を用いることで、手で行う注射器と違い、薬液をもの凄く遅い一定のスピードで入れることが可能です。
麻酔の痛みは、ゆっくり麻酔液を注入する方が痛くないのです。
笑気麻酔(保険適用)
さらに希望される方には、笑気麻酔(しょうきますい)を使用します。
鎮静、睡眠、鎮痛作用を持つ笑気を吸入することで、リラックスした状態になり痛みを感じにくくなる吸入麻酔薬の一種です。不安感や恐怖心といった治療時のストレスを和らげることも可能です。
精密なむし歯治療
むし歯の数値化!?「ダイアグノデントペン」
ダイアグノデントは、歯面にレーザー光を照射することで、むし歯を検出します。
歯科医師の経験による「かん」だけに頼らない診断で、必要以上に削ることを防ぎ、かつ治療が必要な部位を早めに発見することで、患者様の歯をしっかり守ります。
10枚法による精密なレントゲン撮影
歯の治療はレントゲン診断で「どこに・どれくらいの大きさ・深さの疾患があるのか?」を診断します。通常はパノラマレントゲンといってお口の中を1枚の全体的なレントゲン撮影で診断しますが、それだと1歯1歯の詳細が不明瞭な箇所が出てしまいます。
10枚法のレントゲン診断は、各ブロックに分けたデンタルレントゲンを10枚撮影して、1歯ごとの状態を精密に診断します。これは、院長の口腔内レントゲンでの比較ですが、パノラマレントゲンと10枚法によるレントゲンの精密さの違いはわかるでしょうか?
<パノラマレントゲン>
<デンタル10枚法>
デンタルレントゲンは、診断に時間と費用がかかる総合治療として当院では実施しています。
初診時にお口の診断を行いますが、その際により詳しく診断を進めた方が良い場合は「総合治療」についてご案内差し上げております。
むし歯の進行状態と具体的な治療方法
むし歯は、その進行状態によってCO~C4までの段階に分けられます。まずは検査を受けることをお勧めします。ここではそれぞれの段階の症状、および一般的な治療方法をご紹介します。
CO(Caries Observation シーオー:初期むし歯)
歯にまだ穴が開いていない、初期むし歯の状態です。この状態であれば削らない治療が可能です。フッ素入りの歯磨き剤を使って歯磨きをしっかり行えば、溶けてしまった表面をある程度再石灰化させることができます。
C1(エナメル質う触)
まだ痛みは感じませんが、すでに歯の表面のエナメル質に穴が開いています。象牙質まで達していないので痛みはありません。治療方法は、むし歯の部分を必要最小限だけ削り取り、保険適用内の白い詰め物をします。
C2(象牙質う触)
まだ神経に届いていないので強い痛みはありませんが、むし歯菌はエナメル質の下にある象牙質にまで達しています。時々しみることもあるでしょう。むし歯の範囲が小さければ、保険適用内の白い詰め物をして終わりです。しかし、深部まで広がっている場合は患部を削り、型取りをして詰め物を製作します。
C3(神経まで達したう触)
すでにむし歯菌が神経に達し、歯髄炎を起こしています。場合によっては歯根膜に炎症を起こし、歯根膜炎になることがあります。ここまで進行すると神経の治療が必要です。麻酔をして、傷ついたり死んでしまった神経や膿を取り除き、歯の根の中をキレイにしてから被せ物をします。
C4(残根状態)
神経が死んでいます。痛みは少ないですが、むし歯菌によって心臓病や腎臓病を引き起こす可能性があるでしょう。治療可能な歯質が残っていれば、C3のケースと同じように根管治療を行ってから被せ物をします。症状によっては抜歯しなければならないこともあります。
根管治療
むし歯が神経まで到達して炎症を起こした場合、神経を取り除いて根管内をキレイにする治療が必要です。根管治療といいます。根管治療を施すことで、抜くべき歯を残せる可能性が広がります。
もちろん、歯が痛くなればすべて神経を抜く必要があるわけではありません。入念な検査にもとづき、根管治療が必要な場合は患者さんにしっかりご説明してから治療をスタートします。
根管治療の方法
歯の神経がおさまっている部分(根管)を専用の器具でキレイに洗浄します。その後、薬を詰めてから被せ物を装着します。
気をつけなければならないのは、むし歯菌を完全に除去しないと再発の恐れがあることです。そのため、根管治療は高い歯科技術が求められます。